ネック:セドロ指 板:エボニー塗 装:セラック糸 巻:ゴトー弦 高:1弦 2.8mm/6弦 4.0mm[製作家情報] 佐久間悟 Satoru Sakuma 1973年長野県上田市生まれ。現在も同地の工房にて製作を続けています。関西外国語大学スペイン語学科在学中より楽器製作に興味を持ち、20歳の頃に同じ長野県に工房がある製作家 石井栄氏に指導を仰ぎます。卒業後も会社勤めをしながら独自に製作を継続。2001年には渡西しスペインのシグエンサにて名工ホセ・ルイス・ロマニリョスの講習会に参加し直接指導を受けます。また同じ講習会にアシスタントとして参加していたゲルハルト・オルディゲスらにもアドバイスを受け、彼らの伝統工法による徹底した製作姿勢に触発され、自身の方向性を確信。帰国後本格的に製作を開始し、現在に至るまでそのスペイン伝統工法を規範として製作を続けています。彼の楽器はオリジナルでもレプリカモデルにおいても一貫して角の取れたふくよかな音像と木の響きをダイレクトに感じさせるような素朴な音色とを備えており、それは彼の音色嗜好を如実に表すとともに、特に日本人の好みにフィットする独特の感触があります。プロアマ問わず近年ますますその評価と人気を高めている製作家の一人。〔楽器情報〕佐久間悟製作 ロマニリョスモデル 80号 2025年製 新作 No.97 の入荷です。ブーシェモデルと並び彼のラインナップの中でフラッグシップモデルと言えるもの。もちろんあのスペイン屈指の名工であるホセ・ルイス・ロマニリョスのギターを基本コンセプトとして作られたモデルで、実際にこの名匠の教えをスペインで受けた経験のある氏にとってはやはり特別なものと言えるでしょう。そして本作において佐久間氏はより一層の透徹した意識でロマニリョス的美学に向き合いながら(これまではやや自身の嗜好に寄せたところで着地をさせていた感があったものの)あるべき音響に果敢に挑戦したような、厳しくそして清新なオマージュモデルを作り上げています。ロマニリョスのあまりにも有名なスペインのモスク柱廊を模したロゼッタデザインではなく、佐久間氏はここで自身のオリジナルによる同心円とヘリンボーンをあしらったデザインを採用。茶、黒、クリーム色でまとめた意匠で、落ち着いていてしかし鋭さがあり、細部の精巧な迫力がしっかりと全体を引き締めています。いかにも氏の好みそうな、白に近いクリーム色の表面板とチョコレート色のインディアンローズウッドのコントラスト。セラックの繊細でやや艶を抑えた仕上がりで、これらが弛緩することなく統一した外観となってまとまっています。撥弦の弾性が音像に転化したようないかにもロマニリョス的発音ですが、佐久間氏はここでかなり硬質な粘りをもたせており、まるで指先にまとわりつくような反応性を発音に付与しています。響きには雑味がなく、色を抑え、音像の肌理の変化だけで表情を生み出すことに成功しています。各弦(各声部)間の響きには古楽アンサンブルを思わせるような彫りの深さがあり、その心地良い緊張感が魅力的(この感覚はとてもロマニリョス的と言えます)。表面板内部構造はサウンドホール上側(ネック側)に2本、下側(ブリッジ側)に1本のハモニックバー。サウンドホール左右(低音側と高音側)には1cm幅ほどの薄い補強板が貼られているのですが、この1センチ幅というサイズで設定されたものは他になかなか見られない。扇状力木は計7本が左右対称に設置されており、これらの先端をボトム部で受け止めるように2本のクロージングバーがV字型に配置されており、駒板の位置にはほぼ同じ面積で薄い補強板が貼られているという全体の構造。ペオネス(表面板と横板の接合部に設置される断面が直角三角形型の小さなウッドブロック)が通常のギターよりも極端に小さく作られたものを設置していることも特徴として挙げることができます。レゾナンスはF#の下に設定されています。ネックはほとんどCに近いほどにラウンド加工かされたDシェイプで薄めの形状なのでグリップ感はコンパクト。弦高値は2.8/4.0mm(1弦/6弦 12フレット)でサドル余剰は1.5~2.0mmありますのでお好みに応じてさらに低く加工することが可能です。糸巻はGotoh 510シリーズを装着。
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ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:セラック
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 2.8mm/6弦 4.0mm
[製作家情報]
佐久間悟 Satoru Sakuma 1973年長野県上田市生まれ。現在も同地の工房にて製作を続けています。関西外国語大学スペイン語学科在学中より楽器製作に興味を持ち、20歳の頃に同じ長野県に工房がある製作家 石井栄氏に指導を仰ぎます。卒業後も会社勤めをしながら独自に製作を継続。2001年には渡西しスペインのシグエンサにて名工ホセ・ルイス・ロマニリョスの講習会に参加し直接指導を受けます。また同じ講習会にアシスタントとして参加していたゲルハルト・オルディゲスらにもアドバイスを受け、彼らの伝統工法による徹底した製作姿勢に触発され、自身の方向性を確信。帰国後本格的に製作を開始し、現在に至るまでそのスペイン伝統工法を規範として製作を続けています。
彼の楽器はオリジナルでもレプリカモデルにおいても一貫して角の取れたふくよかな音像と木の響きをダイレクトに感じさせるような素朴な音色とを備えており、それは彼の音色嗜好を如実に表すとともに、特に日本人の好みにフィットする独特の感触があります。プロアマ問わず近年ますますその評価と人気を高めている製作家の一人。
〔楽器情報〕
佐久間悟製作 ロマニリョスモデル 80号 2025年製 新作 No.97 の入荷です。ブーシェモデルと並び彼のラインナップの中でフラッグシップモデルと言えるもの。もちろんあのスペイン屈指の名工であるホセ・ルイス・ロマニリョスのギターを基本コンセプトとして作られたモデルで、実際にこの名匠の教えをスペインで受けた経験のある氏にとってはやはり特別なものと言えるでしょう。そして本作において佐久間氏はより一層の透徹した意識でロマニリョス的美学に向き合いながら(これまではやや自身の嗜好に寄せたところで着地をさせていた感があったものの)あるべき音響に果敢に挑戦したような、厳しくそして清新なオマージュモデルを作り上げています。
ロマニリョスのあまりにも有名なスペインのモスク柱廊を模したロゼッタデザインではなく、佐久間氏はここで自身のオリジナルによる同心円とヘリンボーンをあしらったデザインを採用。茶、黒、クリーム色でまとめた意匠で、落ち着いていてしかし鋭さがあり、細部の精巧な迫力がしっかりと全体を引き締めています。いかにも氏の好みそうな、白に近いクリーム色の表面板とチョコレート色のインディアンローズウッドのコントラスト。セラックの繊細でやや艶を抑えた仕上がりで、これらが弛緩することなく統一した外観となってまとまっています。
撥弦の弾性が音像に転化したようないかにもロマニリョス的発音ですが、佐久間氏はここでかなり硬質な粘りをもたせており、まるで指先にまとわりつくような反応性を発音に付与しています。響きには雑味がなく、色を抑え、音像の肌理の変化だけで表情を生み出すことに成功しています。各弦(各声部)間の響きには古楽アンサンブルを思わせるような彫りの深さがあり、その心地良い緊張感が魅力的(この感覚はとてもロマニリョス的と言えます)。
表面板内部構造はサウンドホール上側(ネック側)に2本、下側(ブリッジ側)に1本のハモニックバー。サウンドホール左右(低音側と高音側)には1cm幅ほどの薄い補強板が貼られているのですが、この1センチ幅というサイズで設定されたものは他になかなか見られない。扇状力木は計7本が左右対称に設置されており、これらの先端をボトム部で受け止めるように2本のクロージングバーがV字型に配置されており、駒板の位置にはほぼ同じ面積で薄い補強板が貼られているという全体の構造。ペオネス(表面板と横板の接合部に設置される断面が直角三角形型の小さなウッドブロック)が通常のギターよりも極端に小さく作られたものを設置していることも特徴として挙げることができます。レゾナンスはF#の下に設定されています。
ネックはほとんどCに近いほどにラウンド加工かされたDシェイプで薄めの形状なのでグリップ感はコンパクト。弦高値は2.8/4.0mm(1弦/6弦 12フレット)でサドル余剰は1.5~2.0mmありますのでお好みに応じてさらに低く加工することが可能です。糸巻はGotoh 510シリーズを装着。