楽器名 | フアン・フランシスコ・サルバドール・ヒメネス J.F.Salvador Gimenez |
カテゴリ | 輸入クラシック オールド |
品番/モデル | トーレスモデル Torres model No.8 |
弦 長 | 654mm |
国 | スペイン Spain |
製作年 | 1996年 |
表 板 | 松 Solid Spruce |
裏 板 | インディアンローズウッド Solid Indian Rosewood |
程 度※ | 7 |
定 価 | 時価 |
販売価格(税込) | お問い合わせ下さい。 |
付属品 | ハードケース 黒 |
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指 板:黒檀
塗 装:セラック
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 2.7mm /6弦 3.4mm
[製作家情報]
フアン・フランシスコ・サルバドール・ヒメネス Juan Francisco Salvador Gimenez(1946~2010)スペイン、アンダルシア州アルメニアの La Canada de San Urbano 生まれ。ラベルには製作家名と共に「Bisnieto deTorres」と印刷されており、現在に至るクラシックギター製作の創始となり、その原型を作りあげた名工で同じアルメリア生まれのアントニオ・デ・トーレス(1817~1892)の曾孫であることが示されています。1959年、13歳のころから木工職人としての修行をはじめ、1973年の23歳の時には曾祖父の遺した型板を基にギター製作を開始。当時イギリスのSemley に工房を構えていた名工ホセ・ルイス・ロマニリョスのもとを何度か訪れ、製作に関する助言を受けています。トーレスのスタイルを踏襲し、なおも自身の研究を深めながらじっくり作られたギターには偉大なる曾祖父のそれとはまた異なる魅力があり、年間製作数がおよそ1~2本という寡作なブランドということもあって現在マーケットでは非常に珍しい楽器となっています。
[楽器情報]
フアン・フランシスコ・サルバドール・ヒメネス 製作 1996年 No.8 のUsed の入荷です。表面板の型、ヘッドシェイプ、ロゼッタやパーフリングなどの意匠などの外観、さらには内部構造においてもほぼ偉大なる曾祖父トーレスのものを踏襲したスタイルで作りあげた一本です。たっぷりと木質の触感をもった太い響きで、中低音から低音の位相がそのまま高音にまで接続しているような独特の音響感覚があります。スペイン的なクリアネスというよりも全体に渋めの音色で、ヴィンテージ風の落ち着いた佇まい。箱がしっかりと鳴っていながらも慎ましくまとまりのある、オーディトリアム的というよりはサロン的な響き方にはトーレスを思わせるところもあり、その自然な鳴りが魅力と言えるでしょう。
表面板力木配置はサウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に各一本のハーモニックバーで、このうち下側のほうのバーは高音側と低音側に開口部が設けられています。ウェストから下は左右対称7本の扇状力木にそれらの先端をボトム部で受けとめるようにV字型に設置された2本のクロージングバー、そして駒板位置にはほぼ同じ面積の薄い補強板が貼られています。いちばん両外側それぞれ2本の扇状力木はサウンドホール下側ハーモニックバーの両開口部をくぐり抜けて、サウンドホールを囲む円形補強板の縁に達しています。それに加えてサウンドホール両側(高音側と低音側)にはちょうど近接する横板のカーブに沿うように1本ずつの短い力木を設置。オリジナルトーレスと異なる点はネック脚(ネックのボディ内側まで延長している部分)がサウンドホール上側のバーまで到達していること、駒板位置の補強板の設置ですが、この補強板は1枚板ではなく交差する扇状力木間でセパレートになっていることも特徴となっています。また上記以外にもサウンドホール下のハーモニックバーはその開口部分が長さ6cm以上に高さも8mmほどの大きなもので、ちょうど開口部の上部が穴の形に合わせてラウンド加工されており、横から見るとアーチ橋のように見えるようなバー形状をしていることなど、トーレスとの比較に限らず特徴的な部分が随所に見られます。レゾナンスはF#~Gに設定されています。
トーレスのハイスペックモデルの意匠を基にした豪奢なデザインのロゼッタ、ヘリンボーンや大胆な雷文模様のパーフリングをあしらっていますが、色味を茶とベージュに統一し、オリジナルが持つ威容よりもむしろ落ち着いた外観に着地させています。ヘッドはやはりトーレスの特徴的なデザイン。全体に飴色がかったセラック塗装で渋く仕上げてあります。
割れや改造等の大きな修理履歴はありません。演奏時に胸や腕の当たる場所などに塗装の擦れやムラ等があります。表面板全体の範囲に軽微な弾きキズ、横裏板は衣服等による細かな摩擦あとや演奏時に胸の当たる部分などに軽微な掻き傷はありますがいずれも外観を損ねるものではありません。ネック裏は高音側に爪による傷があり、一部で木地の露出があります。ネックは真っ直ぐを維持しており、フレットは1~5フレットでほんのわずかに摩摩耗見られますが演奏性に問題もありません。ネックは普通の厚みのDシェイプ、糸巻はスペインの老舗ブランドFusteroを装着。弦高値は2.7/3.4mm(1弦/6弦 12フレット)でサドルには1.0~2.0mmの余剰があります。重量は1.52㎏。