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ジョン・レイ John Ray
New Arrival
〔商品情報〕
楽器名 | ジョン・レイ John Ray |
カテゴリ | 輸入フラメンコ 中古 |
品番/モデル | フラメンコ ブランカ No.32 |
弦 長 | 650mm |
国 | スペイン Spain |
製作年 | 2001年 |
表 板 | 松 Solid Spruce |
裏 板 | シープレス Solid Cypress |
程 度※ | 5 |
定 価 | 時価 |
販売価格(税込) | お問い合わせ下さい。 |
付属品 | 軽量ケース黒 |
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指 板:黒檀
塗 装:セラック
糸 巻:シャーラー
弦 高:1弦 3.4mm /6弦 3.8mm
〔製作家情報〕
ジョン・レイ John Ray カナダ出身で現在はスペインのグラナダで製作している。伝統工法に忠実で研究心旺盛な製作家として知られています。彼は1989年に訪西しグラナダの地で英語教師をして何とか生計を立てながら最初の一年は地元の製作家を1人1人訪問し弟子入りを希望しましたが叶わなかった(ジョン曰く、当時もいまも基本的に身内のみを弟子にするという不文律がグラナダにはあるようです)。しかしその中で、ジョナサン・ヒンベス、ゲルマン・ペレス・バランコ、ラファエル・モレーノ、そしてアントニオ・マリン・モンテロが少なからず製作へのアドヴァイスや励ましを与えてくれたと彼は語っています。1990年にマラガにてホセ・アンヘル・チャコンのワークショップに参加、その後も2年ほどチャコンの工房で学んだ後再びグラナダに戻り、1996年に結婚するのを機に同地に居を構え本格的に製作家としての道を歩むことを決意します。1999年にロルフ・アイヒンガー(Rolf Eichinger 1944年 ドイツ、ストゥットガルト生まれの製作家で1997年にグラナダに移住し工房を設立している、2009年没。ジョンは彼の工房の隣に自身の工房を構えていました)と親交を深め指導を受けることで一気に製作方法から材の選定と入手方法に至るまでのトータルなスキルを獲得することになり、彼の充実したキャリアが始まります。
彼の特徴は何といってもアントニオ・デ・トーレス、サントス・エルナンデス、マルセロ・バルベロといったスペインの伝統工法を基本とし、そこにグラナダ的(アンダルシア的)な要素をミックスさせ、現代的な感性の弾き手にも受け入れられるよう、非常にバランスフル着地させているところが挙げられます。もはや目利きと言ってもよいほどの木材の選定眼を持つ彼によるギターは良い意味でのOld Fashionedな意匠と相まって外観的にも人気のアイテムとなっています。
2006年に彼の製作過程を追った写真集[EL ARTE DELA GUITARRA]を刊行、また2007年にはコルドバで開催されたアントニオ・デ・トーレスの展示会にて、1892年(SE153)の復元モデルを発表し、高い評価を得ていいます。
[楽器情報]
ジョン・レイ製作のフラメンコ ブランカ(白)モデル、2001年 No.32 Usedの入荷です。
表面板の指板両脇から高音側、ブリッジ下にかけてフラメンコとして年代相応の弾きキズ、搔き傷、打痕等あります。また横板も搔き傷、ネック裏は全体に演奏時の爪傷があります。ネックはわずかに順反り、フレットは適正値を維持しています。過去に弦高調整のため駒板の木部を削りサドル高さを調整した履歴があります。表面板は指板脇低音側とエンドブロック付近に割れ補修歴があり、それぞれ内側からパッチ補強がされています。ネック形状は薄めのDシェイプ。
表面板内部構造はサウンドホール上側(ネック側)に長短2本、下側に1本のハーモニックバー、左右対称7本の扇状力木(全て幅1cm、高さ3㎜ほどの直方体型に加工されています)とこれらの先端をボトム部で受けとめるようにV字型に配置された2本のクロージングバー、駒板位置にはほぼ同じ面積の補強プレートが貼られているという全体の構造。レゾナンスはF#~Gのあいだに設定されています。
発音は乾いて程よい粘りもあり、スペインの古き良き響きを彼なりに再現しています。ただし初期の作と言える本器においてはネックの差し込み角と駒板の厚みや弦穴位置の設定などフラメンコとしてはやや甘い部分もあり、演奏性に関しては好みが分かれところだと思います。