ネック:セドロ指 板:エボニー塗 装:ポリウレタン糸 巻:ゴトー弦 高:1弦 2.7mm /6弦 3.4mm[製作家情報]田村満 Mitsuru Tamura1928年生まれ。製作家、ギタリストともに注目すべき人材を輩出し続けている四国、高知。その地を代表し、兄の田村廣とともにジャパニーズヴィンテージとして必ず名前の挙がるブランドの一つとなっています。1952年に地元高知に兄が設立した田村ギター製作所で共に働いた後、1966年に独立し自身の工房を設立。兄弟ともに1960年代以降の日本でのクラシック/フラメンコギター人気を形成していきますが、まだスパニッシュギター製作の受容が途上の段階であったこの時期の日本において、なかば本能的に、その響きの本質に近づく仕事を成し遂げたことは評価に値するものと言えます。本場スペインの響きとニュアンスを十全に備えたギターとしては当時比肩しうるものがなかったと言ってよいほどで、特に初期の1960年代~1970年代初期のものはギターファンの間で高い評価を得ています。1970年代から亡くなるまでは高まる需要に対応するために工房も多産体制に、必然的に作家性は薄れてゆくものの、スペイン的なものを日本人らしい堅実さでバランスよくまとめたモデルを製作し続けたブランドとしてのポテンシャルはやはり評価に値すると言えます。[楽器情報]田村満 1984年製 モデルNo.3000 Usedです。中南米ローズウッド材を横裏板に使用したハイスペックなモデルで、すっきりした響きで力があり、バランスも良く、表情の変化もしっかりとあります。表面板の特に下部に集中して浅い打痕とそれに伴う塗装の色味の変化が生じていますがその他は弾きキズ等も少なく、横裏板も衣服等による細かな摩擦あとのみとなっており全体的に年代考慮するときれいな状態です。ネック、フレットなどの演奏性に関わる部分も問題ありません。ネックシェイプは薄めのDシェイプで弦高値は2.7/3.4mm(1弦/6弦 12フレット)、サドル余剰は1.0~1.5mmとなっています。表面板内部構造はサウンドホール上側(ネック側)に1本のハーモニックバーと広めの補強プレート、下側は一本のハーモニックバーとその中央部分を起点として高音側縁部分に向かって斜めに伸びてゆくように配置されたもう一本のバー(トレブルバー)、そして計6本の扇状力木がセンターに配された1本を境に低音側に3本、高音側に2本設置され、これらの先端をボトム部分で受け止めるようにハの字型に配置された2本のクロージングバーという全体の構造。レゾナンスはG# の少し上の設定となっています。
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ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:ポリウレタン
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 2.7mm /6弦 3.4mm
[製作家情報]
田村満 Mitsuru Tamura1928年生まれ。製作家、ギタリストともに注目すべき人材を輩出し続けている四国、高知。その地を代表し、兄の田村廣とともにジャパニーズヴィンテージとして必ず名前の挙がるブランドの一つとなっています。1952年に地元高知に兄が設立した田村ギター製作所で共に働いた後、1966年に独立し自身の工房を設立。兄弟ともに1960年代以降の日本でのクラシック/フラメンコギター人気を形成していきますが、まだスパニッシュギター製作の受容が途上の段階であったこの時期の日本において、なかば本能的に、その響きの本質に近づく仕事を成し遂げたことは評価に値するものと言えます。本場スペインの響きとニュアンスを十全に備えたギターとしては当時比肩しうるものがなかったと言ってよいほどで、特に初期の1960年代~1970年代初期のものはギターファンの間で高い評価を得ています。1970年代から亡くなるまでは高まる需要に対応するために工房も多産体制に、必然的に作家性は薄れてゆくものの、スペイン的なものを日本人らしい堅実さでバランスよくまとめたモデルを製作し続けたブランドとしてのポテンシャルはやはり評価に値すると言えます。
[楽器情報]
田村満 1984年製 モデルNo.3000 Usedです。中南米ローズウッド材を横裏板に使用したハイスペックなモデルで、すっきりした響きで力があり、バランスも良く、表情の変化もしっかりとあります。
表面板の特に下部に集中して浅い打痕とそれに伴う塗装の色味の変化が生じていますがその他は弾きキズ等も少なく、横裏板も衣服等による細かな摩擦あとのみとなっており全体的に年代考慮するときれいな状態です。ネック、フレットなどの演奏性に関わる部分も問題ありません。ネックシェイプは薄めのDシェイプで弦高値は2.7/3.4mm(1弦/6弦 12フレット)、サドル余剰は1.0~1.5mmとなっています。
表面板内部構造はサウンドホール上側(ネック側)に1本のハーモニックバーと広めの補強プレート、下側は一本のハーモニックバーとその中央部分を起点として高音側縁部分に向かって斜めに伸びてゆくように配置されたもう一本のバー(トレブルバー)、そして計6本の扇状力木がセンターに配された1本を境に低音側に3本、高音側に2本設置され、これらの先端をボトム部分で受け止めるようにハの字型に配置された2本のクロージングバーという全体の構造。レゾナンスはG# の少し上の設定となっています。