ネック:マホガニー指 板:黒檀塗 装:カシュー糸 巻:ゴトー弦 高:1弦 2.7mm /6弦 3.8mm[製作家情報]1956年生まれ。長野県茅野市に工房を構える。ギター製作家である父 茶位幸男に技術を学び、完全手工によるスパニッシュスタイルの丁寧な造り、深く柔らかい響き、日本人の身体性にフィットした演奏性などで人気を維持しています。同じくギター製作家の茶位幸信は叔父にあたります。[楽器情報]茶位幸秀製作 No.20 1994年製Used 630㎜ショートスケールモデルの入荷です。幸秀氏のラインナップの中ではエントリーモデルですが、しっかりと作家性を感じさせる一本。全体の音の、一つのまとまりとしてのバランス感(各弦、各声部が独自のアイデンティティを持ちそれぞれがパースペクティブを生み出すのとは異なり)、ほんのりと霞がかかったような独特の余韻を含んだ音像と響き、常に落ち着いて、決して逸脱を予感させない、ほとんど日本的なともいえる安心感は全ラインナップに通底する幸秀氏ならではの特徴と言えるでしょう。表面板内部構造はサウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に一本ずつのハーモニックバー、ウェストより下は左右対称5本の扇状力木がブリッジプレートの幅に収まるように中央に寄り添って配置され、そしてボトムには2本のクロージングバーが設置されているのですが、この2本のクロージングバーは通常は扇状力木の先端を受け止めるようにしてV字型に配置されることが多いのですが、ここでは2本は互いに大きく離れ、横板に近接するようにして(なのでほとんど扇状力木の外側に位置すようにして)設置されています。これらの特徴的な配置はあの名工サントス・エルナンデスとその直系となるマルセロ・バルベロ1世の設計とほぼ同じで、幸秀氏が意図的にこれを選択したことがうかがえます(とはいえ上記に述べたように、音色は幸秀氏の特徴が十全に現れたものとなっています)。レゾナンスはG#の少し上に設定されています。割れ補修歴はありませんが、全体にかなりタフに使用されてきており、傷や打痕等多くあります。表面板は特にそうした傷が多くありますが、過去にそうした打痕や搔き傷そして指板や横板との接合部分などをおそらく所有者自身によって塗装補修した形跡があり、細工がやや雑なためそれぞれの箇所が液だれしたような跡で残ってしまっています。また裏板は全面に、おそらくこれも職人の手に拠るものではなく、やはり粗い上塗り処理がされており、処置後について傷と併せて外観をかなり損ねてしまっています。横板とネック裏の塗装はオリジナルのままですがやはり傷が多くあります。ネックはほんのわずかに順反りですが標準設定の範囲内、フレットはおそらく過去に打ち換え処理がされており、現在は適正値を維持しています。弦高値は2.7/3.8mm(1弦/6弦 12フレット)でサドルには2.0~2.5mmの余剰があります。現在値でも弾きやすく感じますがお好みに応じてさらに弦高を低く設定することも可能です。
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ネック:マホガニー
指 板:黒檀
塗 装:カシュー
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 2.7mm /6弦 3.8mm
[製作家情報]
1956年生まれ。長野県茅野市に工房を構える。ギター製作家である父 茶位幸男に技術を学び、完全手工によるスパニッシュスタイルの丁寧な造り、深く柔らかい響き、日本人の身体性にフィットした演奏性などで人気を維持しています。同じくギター製作家の茶位幸信は叔父にあたります。
[楽器情報]
茶位幸秀製作 No.20 1994年製Used 630㎜ショートスケールモデルの入荷です。幸秀氏のラインナップの中ではエントリーモデルですが、しっかりと作家性を感じさせる一本。全体の音の、一つのまとまりとしてのバランス感(各弦、各声部が独自のアイデンティティを持ちそれぞれがパースペクティブを生み出すのとは異なり)、ほんのりと霞がかかったような独特の余韻を含んだ音像と響き、常に落ち着いて、決して逸脱を予感させない、ほとんど日本的なともいえる安心感は全ラインナップに通底する幸秀氏ならではの特徴と言えるでしょう。
表面板内部構造はサウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に一本ずつのハーモニックバー、ウェストより下は左右対称5本の扇状力木がブリッジプレートの幅に収まるように中央に寄り添って配置され、そしてボトムには2本のクロージングバーが設置されているのですが、この2本のクロージングバーは通常は扇状力木の先端を受け止めるようにしてV字型に配置されることが多いのですが、ここでは2本は互いに大きく離れ、横板に近接するようにして(なのでほとんど扇状力木の外側に位置すようにして)設置されています。これらの特徴的な配置はあの名工サントス・エルナンデスとその直系となるマルセロ・バルベロ1世の設計とほぼ同じで、幸秀氏が意図的にこれを選択したことがうかがえます(とはいえ上記に述べたように、音色は幸秀氏の特徴が十全に現れたものとなっています)。レゾナンスはG#の少し上に設定されています。
割れ補修歴はありませんが、全体にかなりタフに使用されてきており、傷や打痕等多くあります。表面板は特にそうした傷が多くありますが、過去にそうした打痕や搔き傷そして指板や横板との接合部分などをおそらく所有者自身によって塗装補修した形跡があり、細工がやや雑なためそれぞれの箇所が液だれしたような跡で残ってしまっています。また裏板は全面に、おそらくこれも職人の手に拠るものではなく、やはり粗い上塗り処理がされており、処置後について傷と併せて外観をかなり損ねてしまっています。横板とネック裏の塗装はオリジナルのままですがやはり傷が多くあります。ネックはほんのわずかに順反りですが標準設定の範囲内、フレットはおそらく過去に打ち換え処理がされており、現在は適正値を維持しています。弦高値は2.7/3.8mm(1弦/6弦 12フレット)でサドルには2.0~2.5mmの余剰があります。現在値でも弾きやすく感じますがお好みに応じてさらに弦高を低く設定することも可能です。