ギターショップアウラ ギターカタログサイト
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中山 修 Osamu Nakayama
〔商品情報〕
楽器名 | 中山 修 Osamu Nakayama |
カテゴリ | 国産クラシック 中古 |
品番/モデル | Bamboo Guitar |
弦 長 | 650mm |
国 | 日本 Japan |
製作年 | 2009年 |
表 板 | 杉 Solid Ceder |
裏 板 | 孟宗竹 Bamboo |
程 度※ | 9 |
定 価 | 時価 |
販売価格(税込) | 198,000 円 |
付属品 | 軽量ケース |
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指 板:エボニー
塗 装:ポリウレタン
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 3.0mm/6弦 4.3mm
〔製作家情報〕
1941年 秋田県に生まれ、新潟県で育つ。中学の時からクラシックギターの演奏を始め、東京に出て小原安正に師事。1960年にはスペインに渡り、ナルシソ・イエペスに師事します。この時現地のギター製作家から自身が所持していた国産ギターを酷評されたのをきっかけに発奮し、本場スペインのギター製作を学ぶことを決意します。師イエペスにより当時まさに隆盛を極めんとしていたホセ・ラミレス3世の工房を紹介され、9年もの間、昼は演奏を夜はギター工房で製作修行をする日々を過ごします。帰国後に長野に工房を構え、自身が製作したモデルをイエペスが使用するなどしてその名声と評価は高まりますが、1979年38歳の時に事故により両手を負傷、深い絶望とともに演奏と製作の両方を完全に断念します。その後九州の久留米に転居して木工職人として働いていましたが、夢に現れた「竹製のギター」が啓示となり、製作を辞してから21年後の2000年に地元久留米の孟宗竹を使用してクラシックギターを再び製作することを決意。前例のないギターだけに3年の試行錯誤を経てようやく最初の一本を製作。その後も改良を続ける内にユーザーの評価も注目度も高まりを見せるようになり、おそらく世界で唯一の竹製ギターは文字通り中山修ブランドのフラッグシップモデルとして人気を博すことになります。
中山氏自身の説明によると、Bamboo Guitar に使われる竹は工房がある福岡県久留米市の孟宗竹のみを使用。1本につき直径18cmほどの竹を8本、それを4つ割りにして釜茹でした後に半年間じっくりと日干しにする。細く切った竹板を80枚以上貼り合わせて厚さ9センチの合板を作りあげ、それをギター各部の部材として加工して組み合わせるだという。竹という素材の性質からその加工には非常な困難が伴いますが、これを細心の注意を払って作業をすることで造作的にも音響的にも完成度の高い1本として仕上げる技量は見事なもので、同時に彼の製作家としての出自たるスペインギターへの深い敬意も感じられる作品は非常な魅力があり、熱心なファン層を形成しています。
〔楽器情報〕
中山修製作のバンブーギター 2009年製 Used美品の入荷です。表面板は杉、横裏板は孟宗竹(横板は内側にローズウッド材を貼り合わせています)を使用したモデルで、まずは竹特有の清澄でしかし野性的な板目に目が奪われます。表面板の杉材とのコントラストも良く、同じような白い材との組み合わせでは楓や糸杉などがありますが、それらとはやはり異なる特別な個性を持っています。この加工困難な材(変形しやすく割れやすい)を完璧ともいえる精度で美しく仕上げていることには改めて感嘆しますが、このギターの音響的な完成度の高さも特筆されるべきでしょう。
表面板力木構造はサウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に一本ずつのハーモニックバー、そして表面板低音側上部のふくらみ部分から下部高音側のふくらみ部分へと斜めに横切るように設置されたもう一本のバー(このバーはサウンドホール下に設置されたハーモニックバーとちょうどその中央で交差している)が設置され、扇状力木は計6本がセンターに配置された一本を境に高音側に2本、低音側に3本の配置となっており、ボトム部分でそれらの先端を受け止めるように2本のクロージングバーがハの字型に配置されています。ブリッジ位置には駒板よりも長く、ほぼ横幅いっぱいに渡ってパッチ板が貼られています。レゾナンスはG#~Aに設定されています。2本のハーモニックバーと斜めに交差するバーの3本とも低音側に4~5cmほどの低い開口部が設けられており、これを含む上記の表面板内部構造はそのレゾナンス設定も併せてホセ・ラミレス3世のの有名な「1A」 モデルの基本形を踏襲しています。
一つ一つの音の粒が揃った、非常に分離の良い音響で、十分なサスティーンも12フレット以上のハイフレットに至るまで均質的に備わっているのは珍しい。高い音圧はラミレスを思わせもしますが、やはり竹材によるものなのか硬めのきりっとした音像に杉材の柔らかみをほのかにまぶした様な独特の質感。指と完全にシンクロするような速い反応ですべてが明晰に発音されるため、演奏には自然なドライヴ感が生まれるのですがこれがなんとも心地よい。このからっとした(「竹を割ったような」と思わず言いたくなる)音響の中にスペインギター的なニュアンスをしっかりと含んでいるところは見事なもので、その特異さだけで語られるべきではない魅力を持っています。
ほぼ無傷で修理履歴のない美品です。ネック(これも孟宗竹製)、フレットなどの演奏性に関する部分も良好な状態。ネック形状は普通の厚みのDシェイプでフラットな加工がされており、指板はクラシックギターとしてはやや強めのラウンド加工が施されています。弦の張りは柔らかめなので両手ともに演奏上のストレスが軽減されています。弦高値は3.0/4.3mm(1弦/6弦 12フレット)でサドルには2.0~3.5mmの余剰がありますのでお好みに応じて調整が可能です。