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マルセロ・バルベロ・イーホ Marcelo Barbero hijo



New Arrival
ネック:セドロ
指 板:黒檀
塗 装:ラッカー
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 2.3mm /6弦 2.8mm

〔製作家情報〕
1943年マドリッド生まれ。父は20世紀前半のスペインを代表する名工の一人マルセロ・バルベロ1世(1904~1956)。わずか13歳の時に父バルベロ一世が他界したあと、その弟子であったアルカンヘル・フェルナンデス(1931~)が1957年に自身の工房を開き、バルベロ・イーホは徒弟としてアルカンヘルの工房に入ることになります。アルカンヘルは最初彼をあえてホセ・ラミレス3世の工房に修行に出し、このスペイン最大のブランドで製作の基礎を学んだ彼は、1960年の17歳の年にはすでに最初のギターを製作するまでに技術を磨いていきます。その後アルカンヘル工房に戻り、師と共にまさに職人ならではの実直さと探求心で製作に打ち込みます。「アルカンヘル・フェルナンデス工房品」のラベルを貼って出荷されたそのギターは実質バルベロ・イーホ本人による完全手工品であり、師アルカンヘルに勝るとも劣らない非常なクオリティを有したものとしてコアなギターファンに愛されました。1990年代後半からは自身のオリジナルラベルでの製作も並行して行い、ますます洗練と充実の高まりを見せていた彼でしたが、2005年1月に早すぎる死を迎えてしまいます。渋くやや硬質な粘りを持ったその音色は師アルカンヘル、さらには父バルベロ1世にまでつながるスペインギター最良の伝統を感じさせ、特に晩年に近づくほどに評価の高まりを見せるその楽器は、まさにスペインギター随一の逸品としての評価を不動のものとしています。


〔楽器情報〕
マルセロ・バルベロ・イーホ製作 Para Casa Arcangel Fernandez(アルカンヘル・フェルナンデス工房品)ラベルによる1973年製Used、フラメンコモデル ブランカ(白)の入荷です。彼がアルカンヘルの工房で職人として働き始めて(つまり彼が独立した製作家として活動を始めて)間もない頃の作で、しかも彼としては比較的珍しいフラメンコモデル。

表面板内部構造はサウンドホール上下1本ずつのハーモニックバー、センターに寄り添うように(サウンドホールの直径と駒板の幅に収まるようにして)設置された左右対称5本の扇状力木と、それらの先端をボトム部で受け止めるように2本のハの字型に設置されたクロージングバー、そして駒板位置には横幅いっぱいにパッチ板が貼られています。各力木は太めの加工で、これは2本のクロージングバーの角度には他のモデルとの相違があるものの、概ねアルカンヘル工房のスタンダードな仕様。レゾナンスはGの少し下で設定されています。

製作家初期の作とはいえ、楽器の造作、演奏性に関わるセッティング、音響的機能と表現力など、すでにスペインにおいてさえ凡百の職人を凌ぐ腕前とセンスが感じられるものとなっています。この工房らしい十分な反発感をともなった粘りのある発音ですが、師アルカンヘルの明暗の振り幅の大きいある種の厳しさを湛えた響きよりも、明朗さと柔和さが際立ったバルベロ・イーホの特性が出た響きとなっています。フラメンコとして必要な音量や反応、身振りにも全く不足なく、マドリッドらしい悠揚たる佇まいの一本。

製作から50年を経ており、フラメンコギターとしてのタフな使用により全体に弾き傷、打痕、掻き傷等多くみられます。表面板のブリッジ下からボトムにかけて数か所の割れ補修(内側よりパッチ補強あり)履歴、また横板はネックヒール両脇に木目に沿って15センチほどの割れ修理歴(内側よりパッチ補強あり)、また同じくくびれ部にも数か所の5~10㎝ほどの割れ修理歴(接着のみ)があります。指板はおそらく過去に調整された可能性があり、フレットも交換されていますので現状で適正値を維持、ネック自体も真っ直ぐの良好な状態です。またネック裏は再塗装が過去に施されておりきれいな状態です。弦高は現在値で2.3/2.8㎜(1弦/6弦 12フレット上)、サドルには0.5~1.0mmほどの余剰があります。糸巻はスペイン製のFusteroを装着、現在動作状況に問題ありません。全体の重量は1.43㎏。


〔商品情報〕
楽器名マルセロ・バルベロ・イーホ Marcelo Barbero hijo
カテゴリ輸入フラメンコ オールド
品番/モデルパラ・カサ・アルカンヘル
弦 長656mm
スペイン Spain
製作年1973年
表 板松 Solid Spruce
裏 板シープレス Solid Cypress
程 度※6
定 価時価
販売価格(税込)お問い合わせ下さい。
付属品ハードケース


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