ギターショップアウラ ギターカタログサイト

加納 木魂 Kodama Kanoh



ネック:マホガニー
指 板:黒檀
塗 装:ポリウレタン
糸 巻:スローン
弦 高:1弦 3.2mm /6弦 3.9mm

[製作家情報]
1939年名古屋生まれ。1958年19歳の時に父加納木鳴の工房に入り、製作を学びます。1966年に独立して自身のブランドとして製作を開始、非常な旺盛さで高品質な楽器を出荷し続け、2023年末に引退。ギターの他にもマンドリンやリュートなど古楽器なども製作しており、それぞれのジャンルにおいて高い評価を得ています。氏のクラシックギターはスペイン的なオーソドックスな響きを志向しながらも、どこか慎ましくストイックとさえいえる音色で、豊かな鳴りと上品さを兼ね備えたものになっています。ラインナップでは特に610~640mmでのショートスケールモデルも充実しており、上級モデルにおけるこのカテゴリーでは国内では先駆的存在とされています。

[楽器情報]
加納木魂製作の120号 1991年製 No.1005 ブランド公式アウトレット品の入荷です。昨年2023年末で製作を引退した加納氏の工房でストックしていたもので、今回なんと製作より30年を経ての蔵出しとなる貴重な一本。毛筆の書体による漢字で名前が記されたラベルで、引退までの20年間使用していたアルファベットのみの表記によるラベルデザインの前のもの(このラベルにもアルファベット表記はありますが「KODAMA KANO」となっています)。表面板にルーマニア産の松、横裏板には柾目の上質な中南米ローズウッド、糸巻はSloane製を装着するなどいかにも高級モデルにふさわしい仕様の一本です。

2000年代以降の氏はいわばドイツ/スペイン的な音響を自身の嗜好の中に慎ましく着地させたような冴えた響きの楽器を作っていましたが、1999年製の本作では柔らかな、エコー感のある響きが特徴となっています。低音が全体を包み込むような鳴り方で、迫力というよりもやはり落ち着いた佇まいなのは氏の性質によるものでしょうか、独特の渋さをもった一本となっています。

表面板内部構造はサウンドホール上側に長短2本、下側に1本のハーモニックバー、同じくホールの左右(高音側と低音側)に1枚ずつの補強プレート、ボディウエストより下は計7本の長短の扇状力木となんと3本のクロージングバーが左右アシンメトリに配置され、駒板位置にはそれとほぼ同じ面積で補強プレートが貼られているという特徴的なもの。おそらく加納氏がここで参照しているのはサントス・エルナンデスとマルセロ・バルベロ(そしてアルカンヘル・フェルナンデス)の代表的な力木配置とされるもので、基本は中央に寄り添うようにほぼ平行に配置された左右対称5本の扇状力木と両横板下部ふくらみ部分の近くにそのカーブに沿うように配置された2本の「閉じていない」クロージングバー、そして駒板位置の補強プレートという構造。加納氏は5本の扇状力木のさらに両外側に短い力木を加えて計7本とし、さらに高音側クロージングバーの頂点を同じとするもう一本の短いバーを加えてここにV字型を形成し扇状力木のうちの一本の頂点をしっかりと受け止めるような形で配置している。さらに言えばこれら7本の扇状力木はその長さやお互いの間隔が高音側と低音側とで微妙に変えて設置されており、上記の高音側のクロージングバーも含め、独特な左右非対称設計となっているところがユニーク。レゾナンスはG~G#の間に設定されています。

製作から30年以上年を経過していますがネックは真っ直ぐを維持しております。展示会等での出品時によるものか表面板(ブリッジ付近)などわずかに傷があります。ネックシェイプはほとんどCラウンドに近いような角の取れたDシェイプで薄く加工されておりコンパクトなlグリップ感。弦高値は3.2/3.9mm(1弦/6弦 12フレット)、サドルは0.5~1.0mmの余剰があります。発売当時120万円のモデルをアウトレット価格にてご提供。ケースは別売になります。





〔商品情報〕
楽器名加納 木魂 Kodama Kanoh
カテゴリ国産クラシック 新作
品番/モデル120号(公式アウトレット品) No.1005
弦 長650mm
日本 Japan
製作年1991年
表 板松 Solid Spruce
裏 板中南米ローズウッド Solid South American Rosewood
程 度※9
定 価1,320,000 円
販売価格(税込)990,000 円
付属品


下の写真をクリックすると拡大して表示します